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2014年05月

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FREQUENCY DRIFT / Over

ドイツのプログレッシブ・ロック・バンドFREQUENCY DRIFTの5thアルバムOver。


FREQUENCY DRIFT / Over 2014 GERMANY
FREQUENCY DRIFT / Over1. Run
2. Once
3. Adrift
4. Them
5. Sagittarius A*
6. Suspended
7. Wave
8. Wander
9. Driven
10. Release
11. Memory
12. Disappeared


チェロで幕を開けハープをバックにしたメランコリックなボーカル・パートへ移行、もの悲しいデュクラーなるたて笛の静謐や轟音ギターが唸るヘヴィなインスト・パートを含む#1。
イントロの枯れた味わいのギターによるトレモロから既にメランコリック度満点。清楚なIsa Fallenbacher嬢の歌唱がサビで左右CHに振り分けられで幽玄に迫るロマンティックな#2。
ハープの叙情的なイントロから一転してAgathe Labus嬢の妖艶な歌唱パートへと続く前半部、後半のインスト・パートはハープ、デュクラー、フルートの叙情をフィーチュアした#3。
2人の女性シンガーがそれぞれ好対照な持ち味を出すサビがおもしろい#4。終盤にSEで日本語の鉄道駅構内アナウンスが飛び出してハッとする場面も。
スペイシーなシンセのサウンドスケープ、コンテンポラリーなタッチのボーカル・パート、7拍子のハープ・ソロなどを6分弱に収めた美しいナンバー#5。
Isa Fallenbacher嬢のエンジェリック・ヴォイスがフィーチュアされた耽美なボーカル・パートとフルートがアグレッシブに吹き鳴らされるヘヴィなインスト・パートを対比させた#6。
ハープとボーカルのユニゾンにチェロが加わりメランコリックな陰影を増す#7。
マリンバのシークエンスをアクセントにIsa Fallenbacher嬢のセルフ・ハーモニーが甘美な味わいの#8。
Isa Fallenbacher嬢のクリアな歌声を活かしたキャッチーな歌唱、コルグのWavedrumと思しきパーカッション・ソロ、ハープシコードのクラシカルなソロなど予測不能に展開する#9。
Agathe Labus嬢が歌う静かな中にも官能的なダークネスから、エキゾチックなムードも湛えた不思議なインスト・パートへ移行する#10。
重厚なストリングス・セクション、キャッチーなボーカル・パート、ザクザクしたギターをバックに舞い踊るフルート、7拍子のプログレ然としたシンセ・ソロなどアイディア満載の10分の大作#11。
ハープ、ピアノ、チェロなどで優しく奏でられるバックに切々とした歌唱が乗るもの悲しいバラード#12。

耽美でキャッチーな女性ボーカル・プログレ


厳かなハープ、クラシカルなストリングス・セクション、浮遊感のあるシンセやエレクトロニカ、メタルの面影を残すギターなどが融合。そこにイノセントなIsa Fallenbacherとジャズの素養があるAgathe Labus(#3、#4、#10)の2人の女性ボーカルが乗り、気品と妖しさ、デジタルな無機質さやアンビエントが渾然一体となったユニークなサウンド。大仰なドラマティックさは無いが、耽美なムードにゴシックの薫りも漂う。
緻密でテクニカルなアンサンブルに支えられたボーカル・パートはメロディアスで取っつき易く、メランコリックな風情にアンニュイな女性ボーカル、エレクトロニカという部分でPAATOSファンにもおすすめ。

Frequency Drift: Run (taken from new album "OVER")





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タグリスト: プログレ  2010年代  ヨーロッパ  女性ボーカル  シンフォニック 

 

投稿者: 2014-05-24-Sat

RETROHEADS / Introspective

RETROHEADS / Introspective 2006 NORWAY
オシャレなプログレという新ジャンルを生み出したノルウェーのプログレッシブ・ロック・バンドRETROHEADSの2ndアルバムIntrospectiveのレビュー。

RETROHEADS / Introspective1. Rainy day
2. Living in a bubble
3. Black hole eyes
4. One world
5. Be aware
6. I turn to you
7. Slaves of gold
8. Tidal wave
9. Karma


歌える専任男性ボーカルが加入。彼が歌い上げる妙にアッパーなムードに最初驚くが、女声コーラスとメロトロンが出てくるとやはりRETROHEADS。3連刻みの5拍子に乗り、叙情と屈折した明るさが交錯する#1。
ポルタメントの効いたシンセと壮大なシンセ・ストリングスによるシンフォニックでスペイシーな中間部インスト・パートと、爽やかな女声コーラスが印象的な#2。
美しい女性スキャットで幕を開けるバラード#3。勿論単なるバラードで終わるはずも無く、3連刻み7拍子をバックに1パッセージ4音で繰り返すポリリズム風アルペジオがポルタメントの効いたトーン共々トリップ効果を誘うインスト・パートが最高にカッコ良い。
基本、7拍子のコンテンポラリーなポップスだが、メロトロンにシンセ、ジャジィな女声コーラス・パートとRETROHEADSらしさ爆発の#4。
ローファイなイントロに続いて提示されたテーマ・メロディが、シンセやコーラスで繰り返し登場する珍しく構築度の高い#5。クールビューティなコーラスがHATFIELDのノーセッツを彷彿させる。
メランコリックなアコギの爪弾きがリードするヨーロピアン・ムード漂うAOR風ナンバー。のはずが、テンポアップしてキャッチーになったり、インスト・パートではうねるシンセ・ソロを中心にスペイシーに迫ったりと変幻自在の#6。
ゆったりとした4拍子の思索系パート、7拍子のシンセ・ソロ、ミニマルなシンセのアルペジオなどのパーツが混在する#7。この未完成さというか雑多な感じが良い。
正統派メロディのポップスがどんどん屈折していくドラマティックなプログレ・チューン#8。
ボーカル・パートの中にシンセのアルペジオとコーラス被せるなど、強力な持ち技を単独では無く併せて使用。豊富なアイディアと卓越したセンスを感じさせるアルバム最長9分半の#9。

ヴィンテージ・キーボードが活躍するシンフォニックでスペイシーなプログレ・パートに、アン=クリスティン・ベンディクソン(Vo)とデボラ・ジニアス(Fl/Vo)によるオシャレな女声コーラスのジャジィなパートと、多少のやりっ放し感を交えた予測不能な展開を見せつつも耳に残るキャッチーさが全てを解決してしまう脅威の21世紀型プログレ


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タグリスト: プログレ  北欧  2000年代  シンフォニック  メロトロン  女性ボーカル  変拍子 

 

投稿者: 2014-05-22-Thu

RETROHEADS / Retrospective

RETROHEADS / Retrospective 2004 NORWAY
ノルウェーのプログレッシブ・ロック・バンドRETROHEADSの1stアルバムRetrospectiveのレビュー。

RETROHEADS / Retrospective1. Earthsong
2. Man
3. Judgement Day
4. Dreams
5. World Reveal
6. Starry Night
7. Urban Flight Delight
8. Taking my Time
9. The Fool


NASAの交信音SEに覆いかぶさる叙情的なメロトロン・ストリングスのイントロがプログ・ファンの心を鷲掴みにするオープニングナンバー#1。さらにメロトロン・フルートのレトロな音色によるアルペジオへと続き、男女混声ボーカルの優しく穏やかな歌メロパート、変拍子歌メロ、少々ダークなパート、スリルとトリップ感を味わえるスペイシーなインスト・パートなどめくるめく展開しのっけから度肝を抜きます。
一転して#2は爽やかなアコギ・リフのイントロがポップなナンバー。叙情的なボーカル・パートに続くインスト・パートではマイルドなヴィンテージ・シンセ・ソロをフィーチュア。
ミステリアスなムードの中、洒落た女声パートや女声スキャットのフックがカッコ良く決まる#3。中間部はフリーフォームな女声スキャットとサスティンの効いたスライド・ギターを配したPINK FLOYD風トリップ・パート。
イントロの繊細なピアノとジェントルな男声ボーカルでバラード・ナンバーかと思いきや、ジャジーな女声コーラスやメロトンをバックにしたモーグの滑らかなソロなどを盛り込み落ち着いたAOR風ナンバーに仕上げた#4。
ヴィンテージ・キーボード群が活躍する温かみのあるスペイシーなパートと変拍子ジャズ・ロックのインスト・パート、コンテンポラリー・ポップなボーカル・パートから成る#5。終盤はシンセの叙情シンフォニックで締める。
メランコリックなボーカル・パートを主軸に、その叙情をさらに盛り上げるメロトロン・クワイヤ、メロトロン・ストリングスが印象的な#6。
捻った7拍子不条理リフやキメの多いリズムに乗ったスリリングなヴァースからポップなサビに移行する#7。メロトロン・クワイヤをバックにしたギター・ソロの泣き具合も絶品。
美しく透明感溢れるバラードの序盤から、数種類のメロトロン・サウンドなどプログレ度が高いインスト・パートを含むプログレ・チューンに発展する#8。
全体的なポジティブ・ムードとどこか北欧的なメロディがFLOWER KINGSを想起させるプログレッシブ・インストゥルメンタル・チューン#9。

TVやラジオのCM音楽などを手掛けるトーレ・ボ・ベンディクセン(Vo/Key/G/B)が中心となり、メロトロン、ハモンドB3、アープシンセ、ミニモーグなど、ヴィンテージ・キーボードを使用しながら、音楽的にはジャズやポップの要素を盛り込んだ独自のコンテンポラリーなプログレッシブ・ロックを展開。 特に、随所で決まる洒落たジャジィな女声コーラスやスキャットが、他の70年代回顧バンドとの違いを明確にしている。 楽曲は良く言えば変幻自在、悪く言えばやりっ放し。曲の最初に提示したテーマを終盤にリプライズするようなありがちな展開が無く最初は戸惑うが、慣れればその整合感ギリギリの展開が快感になります。


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タグリスト: プログレ  北欧  2000年代  シンフォニック  メロトロン  変拍子  女性ボーカル 

 

投稿者: 2014-05-22-Thu

KOMPENDIUM / Beneath The Waves

英国のフィーメル・シンフォ・プログレ MAGENTAのロブ・リードが企画・プロデュースした、プログレ・シンフォ・プロジェクトKOMPENDIUMのアルバムBeneath The Waves。


KOMPENDIUM / Beneath The Waves 2012 UK
KOMPENDIUM / Beneath The Waves1. Exordium
2. Lost
3. Lilly
4. Mercy of the Sea
5. The Storm
6. Beneath the Waves
7. Sole Survivor
8. Alone
9. Il Tempo E Giunto
10. A Moment of Clarity
11. One Small Step
12. Reunion


プログレ界の才能が集結した極上の叙情シンフォ


ウェールズのケルト/プログレ・シンフォ界隈でお馴染みのイリアン・パイプ奏者トロイ・ドノックリーを始め、大御所スティーヴ・ハケットやプログレ人脈の交流が幅広いジャッコ・ジャクスジクから、最近はすっかりプログレの人になり曲芸スティック・パフォーマンスでも有名な元KAJAGOOGOOのニック・ベッグス、IT BITESの新旧フロントマンであるジョン・ミッチェルとフランシス・ダナリー、PORCUPINE TREEのギャヴィン・ハリソンといった凄腕達が参加。さらに元HATFIELD AND THE NORTHのデイヴ・スチュワートがアレンジを担当したロンドン・セッション・オーケストラが、要所要所で感動を増幅させる素晴らしい管弦を付加。
彼らの紡ぎ出す極上の音楽の語り部は、表現力抜群の男女シンガー、スティーヴ・バルサモとアングハラッド・ブリン。
深みと伸びやかな高音のバルサモ、天使の如き美声を聴かせるブリンとこれだけでもおそろしく高品質なのに、数々の映画音楽や宇多田ヒカルの楽曲にも参加しているコーラス・グループSYNERGY VOCALSの個性的でキャッチーなコーラスがもたらすフックや、重厚で厳かな英国室内合唱団、オペラ歌手が脇を固めてドラマティック度を増強。

この手のオールスターキャスト物でありがちな各ミュージシャンの色が出すぎてバラバラな印象に陥ることなく、ケルトのエキゾチックや叙情、スリルといった起伏を織り交ぜつつも、一貫したムードで感動の物語を描ききったロブ・リードのマネージメント手腕がもう奇跡的。
勿論、巧みでグルーヴィなニック・ベッグスのスティック、蕩けるようなアングハラッド・ブリンの歌声、ハープをイメージしたというやる気満々のスティーヴ・ハケットのクラシック・ギター等々、各プレイヤーの充実のプレイも聴き所満載。

MAGENTAの最高傑作Sevenをより壮大、ドラマティックにバージョン・アップしたかのような本作は、叙情シンフォ・ファンにとってのまさに福音とも言える完成度。

Kompendium : Beneath The Waves





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タグリスト: イギリス  2010年代  シンフォニック  女性ボーカル  プログレ 

 

投稿者: 2014-05-21-Wed

DAVE STEWART & BARBARA GASKIN / Green and Blue

DAVE STEWART & BARBARA GASKIN / Green and Blue 2009 UK
デイヴ・スチュワート(Key)とバーバラ・ガスキン(Vo)によるユニットの18年ぶりとなる3rdアルバムGreen and Blueのレビュー。

DAVE STEWART & BARBARA GASKIN / Green and Blue1. Jupiter Rising
2. Walnut Tree Walk
3. Let Me Sleep Tonight
4. Good Morning Good Morning
5. Green & Blue
6. Any Guru
7. Bed of Leaves
8. Rat Circus
9. The Sweetwater Sea



デイヴ・スチュワート独特のテイストは健在


60's~70'sのカヴァー路線だった過去2作と違い、BEATLESのカヴァー#4を除いて全てオリジナル。
いきなりハード・ポップな#1で幕を開け一瞬耳を疑うも、捻ったコード進行や細かいアレンジはかつてHATFIELD AND THE NORTH やNATIONAL HEALTH 、はたまたBRUFORD 等で音楽的イニシアチヴを発揮していたデイヴ・スチュワートらしいセンスを感じさせるし、バーバラ・ガスキンの少々しゃくるような独特の歌唱も健在。

とはいえやはり本領は、#2,#3,#5のような落ち着いたコンテンポラリーナンバー。
決してメインストリームでは無いものの、キャッチーで且つジャジーでアダルトな質感は、こういったムーディな曲調でこそ活きる。バーバラ・ガスキンの美声も、弾けるポップなナンバーでは少々無理っぽいが、この手の曲では楽曲に溶け込んで瑞々しさを発揮。
デイヴ・スチュワートのプレイは最新デジタル・シンセによるバッキングが中心だが、時折登場するファズ・オルガンやユーモアのあるフレーズに往年の片鱗も。


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タグリスト: プログレ  イギリス  2000年代  女性ボーカル  カンタベリー 

 

投稿者: 2014-05-20-Tue

JONESY / No Alternative

英国のプログレッシブ・ロック・バンドJONESYの1stアルバムNo Alternative。


JONESY / No Alternative 1972 UK
JONESY / No Alternative1. No Alternative
2. Heaven
3. Mind of the Century
4. 1958
5. Pollution
6. Ricochet


メロトロンを使用した叙情プログレでお馴染みのJONESY。特にこのデビュー・アルバムではメロトロンが大活躍、というかほとんど常時鳴っている。
上品で儚げな白玉ストリングスを聴かせる英国らしい叙情チューン#2や、メロディアスなボーカル・パートを丁寧なバッキングでサポートする#5など典型的な泣きのメロトロンは当然として、このJONESYが凄いのは繊細なメロトロンを普通のキーボード同然にタフに使ってしまっているところ。
#1におけるスリリングな単音3連フレーズによるギターとのユニゾンやハーモニー。
リフを主体としたヘヴィなブルーズ・ロックで、ギターと対等にダーティなオルガンによるパワー・コードのバッキングをこなす#3。
性急なリズムをバックに#1同様にギターとの単音ユニゾン/ハーモニーで迫りつつ、バッキングではダーティなコード・ワークで咆哮するヘヴィなジャズ・ロック#4。
ファンキーなグルーヴにメロトロン・ストリングスが映えるメロディアスな佳曲#6などなど。

2ndアルバムでは一部の曲でインプロビゼーションに挑戦し、若干痛い事になってしまっているJONESYだが、この1stアルバムでは得意技の叙情とブルーズ・ロックをベースにしたヘヴィネスを等身大でプレイ。メロトロンを惜しみなく使うチャレンジ精神や、微妙なミスタッチやズレが、逆にデチューン効果でサウンドの幅と味わいを醸し出している#1など、若さ故の怖いもの知らず的な部分等、微笑ましくも憎めない中途半端な所が英国らしくて良い。


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タグリスト: イギリス  プログレ  1970年代  メロトロン 

 

投稿者: 2014-05-19-Mon

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