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2014年07月

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投稿者: -----------

YES / Heaven & Earth

シンガーにアメリカのプログレ・バンドGLASS HAMMERのジョン・デイヴィソン(Vo)を迎えたYESの21stアルバムHeaven & Earth。


YES / Heaven & Earth 2014 UK
YES / Heaven & Earth1. Believe Again
2. The Game
3. Step Beyond
4. To Ascend
5. In A World Of Our Own
6. Light Of The Ages
7. It Was All We Knew
8. Subway Walls



スティーヴ・ハウ(G)によるボリューム奏法のテーマ・メロディにジェフ・ダウンズ(Key)らしい軽やかなシンセのバッキングが続く緩いポップ・チューン#1。歌の出だしがジョン・アンダーソン風メロディで一瞬オッとなる。インスト・パートのキメ・フレーズを弾くスティーヴ・ハウのトーンが、抑えたというよりは弱々しく聴こえるのは老いたルックスの先入観があるからだろうか。自身が脱退したASIAが若いギタリストを加えて溌剌とした音像のアルバムをリリースしたばかりなのでどうしても対比が目立ってしまう。
イントロのサスティナーを使用したスムーズなフレーズが耳を惹く、穏やかでキャッチーな#2。
シンセによる朗らかなメロディのシーケンス・パターンがリードする#3。
フォーク・タッチのバラード#4。
3連なのに弾む感じが無い、気だるいムードの#5。
スティーヴ・ハウのスライド・ギターが陰影を付ける#6。
リフレインが童謡のような緩いメロディのポップ・ソング#7。
緊張と緩和のドラマティックな対比や変拍子のアクセントなど、ファンが求めるプログレッシブなYESを体現した#8。ジェフ・ダウンズらしいクラシカルなシンセのオーケストレーションや叙情性も含め、アルバム随一の佳曲だがエンディングは淡泊。

呼吸不全でバンドを離れた前任者のブノワ・デイヴィッド同様、ジョン・デイヴィソンもYESフォロワー・バンドを出自とするだけに声質はジョン・アンダーソンに似ているが、本家特有の無垢なニュアンスまでは出し切れておらず全体的に表現力不足。それをバンドも認識した上であえてそうしたのか、それとも単にアイディア不足なのか、明るいムードで統一された楽曲群には神秘性や奥深さが不足し、凡庸なメロディのポップスに止まっている。
YESというバンドの個性のひとつである、各パートのせめぎあいと収束によるアンサンブルの妙も、#8で微かに感じられる程度。ほとんどの楽曲で単なる歌モノのバック・バンドと化してしまっているのが痛い。#6あたりはアレンジ次第でもう少し深みが出たと思う。特にリズム隊の覇気の無さが致命的ですらある。

往年の傑作と比較するのは酷としても、前作がDRAMA期YESを継承した良作だっただけに、連綿と続くバンドの歴史上位置付けが難しいアルバムになってしまった。こうして現役バンドとして新作をリリースするクリエイティブな姿勢は賞賛に値するが・・・。


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タグリスト: プログレ  イギリス  2010年代  ポップ 

 

投稿者: 2014-07-28-Mon

GAZPACHO / Demon

ノルウェーの暗鬱シンフォ・バンドGAZPACHOの8thアルバムDemon。


GAZPACHO / Demon 2014 NORWAY
GAZPACHO / Demon1. I've Been Walking Part 1
2. The Wizard of Altai Mountains
3. I've Been Walking Part 2
4. Death Room



ピアノと浮遊するシンセを中心に静かに進行する中、時折ハード・エッジなギターのパワーコードが鳴り響き、平坦になりがちな展開にダイナミズムを付加するメランコリックでファンタジックな#1。
中近東エスニック風味なメロディやタンゴ・パートの挿入、欧州的叙情を漂わせるアコーディオンなどの小技も効果的に使用し、全4曲というアルバム全体の流れに起伏を付けている小品#2。
こもったピアノとハミングによるメイン・テーマを反復し進行する繊細な前半からハードなタッチの後半へ移行するAパート、#1のパワーコードをリプライズさせたBパートで構成された、よりメロディに焦点を当てた#3。
琴のような音色のバンジョーによる7拍子のシーケンスにヴァイオリンの妖しげなオブリガードが絡むパート1、パート1を引き継ぎつつ枯れたギターやヴァイオリンによるフックを加えたパート2、ヘヴィネスを加えて静と動のレンジを広げたパート3により構成された#4。

儚げなボーカルと霧のようなパッド系又はストリングス・シンセを基調に、繊細で耽美なパートを中心に丁寧に紡いでいく。ダークな中にも暖かみを帯びたサウンドなのは、バンジョーやアコーディオン、ヴァイオリンといったオーガニックな楽器群の効果的な使用によるもの。
音圧ありきの昨今の音楽とは対極の、音を出すのではなく出さないことで存在感を高めるという逆説的なアイディアがおもしろい。


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タグリスト: プログレ  2010年代  北欧  シンフォニック 

 

投稿者: 2014-07-13-Sun

WOBBLER / Rites at Dawn

ヴィンテージ楽器のみで勝負するノルウェーのプログレッシブ・ロック・バンド WOBBLERの3rdアルバムRites at Dawn。


WOBBLER / Rites at Dawn 2011 NORWAY
WOBBLER /Rites at Dawn1. Ludic
2. La Bealtaine
3. In Orbit
4. This Past Presence
5. A Faerie's Play
6. The River
7. Lucid Dreams



神秘的なイントロダクションの#1。
硬質でクールな7拍子リフに絡むメロトロン、YESの躍動感やGENTLE GIANT風コーラスなど70年代プログレの薫りを纏いつつ、各楽器が緻密に絡みつくアレンジとタイトな演奏力に現代的なインテリジェンスとテクニックも感じさせる#2。
ドライブするベース、シンセとギターのハーモニー、エレピやオルガン、シンセなど場面ごとに異なる多彩な鍵盤など、アンサンブルの妙を緩急と静動の起伏を付けた絶妙の展開で活かした12分超のプログレ大作#3。
アコギの7拍子アルペジオにフルートやメロトロンが絡む幽玄なパート、ピアノがリードするクールなジャズ風リフ、軋んだメロトロンがANGLAGARDやANEKDOTENを彷彿させる北欧的慟哭激情メランコリー・パートなど、異質な要素を巧みに切り替えるドラマティックな#4。
トレモロ効果を持つ骨董楽器マクソフォンを使用した静かなイントロからメロトロンが唸る疾走パートに移行する#5。
ギター、ベース、サックスによる怒涛のユニゾン、メロトロンがむせび泣くメロウなパート、開放感あるテーマ・メロディ及びドラマティックなサビを持つ感動的な#6。
グロッケンをフィーチュアした神秘的なアウトロで#1に繋がる#7。

様々に展開しながらもやりっ放しで終わらず、きっちりと落とし所を用意した考え抜かれたアレンジ、それを可能にするプレイヤーの技量、ヴィンテージ・キーボードを活かしたダイナミクスある楽曲展開が魅力的なヴィンテージ・タイプのプログレ。
ボーカルはジョン・アンダーソン風なところもあるが、平坦で無機質なため表現力という部分では若干マイナスも、そのB級感が故の70年代っぽさで逆に奏功している。


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タグリスト: プログレ  2010年代  北欧  メロトロン  シンフォニック 

 

投稿者: 2014-07-06-Sun

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